Profile

社会の出来事 秋山孝年譜
1973年(昭和48)

  • 金大中事件
  • 水俣病裁判患者側勝訴
  • 米、ウォーターゲート事件
  • 江崎玲於奈、ノーベル物理学賞
  • オイルショック。卸売物価暴騰
  • 電話FAX全国サービス開始
  • 「年鑑日本のイラストレーション72」(講談社刊)
1973年(昭和48)・21歳

  • 中野区弥生町に転居
1974年(昭和49)

  • 中国・批林、批孔運動開始
  • ニクソン米大統領、ウォーターゲート事件で辞任、フォード副大統領が昇格
  • 佐藤栄作前首相、ノーベル平和賞受賞
  • 戦後最大の不況を迎える
  • 連続企業爆破事件
  • 田中金脈事件
  • アンディ・ウォーホル展開催
  • グラフィック4(池袋・東武)
  • アンドリューワイエス展(国立近美)
●1974年(昭和49)・22歳
1975年(昭和50)

  • 中国・周恩来による4つの近代化報告
  • 蒋介石死去
  • ベトナム戦争終結(サイゴン陥落)
  • カンボジア・ポルポト政権、大虐殺始まる
  • 沖縄海洋博開催
  • ポーランド現代ポスター展(神奈川近美)
  • ドーミエ展(神奈川近美)
●1975年(昭和50)・23歳

  • 多摩美術大学入学
    (グラフィックデザイン専攻)1年生
  • 神奈川県相模原市橋本に転居
1976年(昭和51)

  • 中国・周恩来死去
  • 中国・毛沢東死去、4人組追放、
    文化大革命終了
  • ロッキード事件、田中角栄前首相、逮捕
  • 三木武夫首相退陣、福田赳夫新内閣成立
  • 超高速旅客機コンコルド就航
  • ジーンズやフォークソングが流行する
●1976年(昭和51)・24歳

  • 多摩美術大学
    (グラフィックデザイン専攻)2年生
  • すいどーばた美術学院・夏期講習会・講師
1977年(昭和52)

  • 中国・文化大革命収束
  • アメリカ大統領にカーターが就任
  • 王貞治、国民栄誉賞受賞第1号
  • ふるさと指向起きる
  • 日本のイラストレーション展
    (パリ、ロンドン)
  • ポンピドーセンター開設(パリ)
●1977年(昭和52)・25歳

  • 多摩美術大学
    (グラフィックデザイン専攻)3年生
1978年(昭和53)

  • イラン革命
  • 植村直己、単独犬ぞりで北極点到達
  • 新東京国際(成田)空港開業
  • アメリカで初のエイズ患者
  • サンシャイン60完成
  • 「不確実性の時代」という言葉が流行る
  • 広告にイラストレーションを起用することが流行
  • 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)結成
●1978年(昭和53)・26歳

  • 多摩美術大学
    (グラフィックデザイン専攻)4年生
  • すいどーばた美術学院(デザイン・工芸科)非常勤講師となる(?1984)
1979年(昭和54)

  • 米ペンシルバニア州スリーマイル島
    原子力発電所事故、住民が被爆
  • 英、サッチャー初の女性首相
  • 米中国交正常化
  • 国立大学初の共通一次試験実施
  • 朴大統領射殺される
  • 大光相互銀行乱脈融資事件
  • ポストモダニズムが定着する
●1979年(昭和54)・27歳

  • 多摩美術大学グラフィックデザイン専攻を卒業する(3月)
  • 東京藝術大学大学院入学(視覚デザイン専攻)
    高田正二郎クラス・大学院・1年生
  • 豊島区西池袋に転居
  • 松澤はる江と結婚(長岡・蓬平温泉・蓬莱館)
  • バードカービングを始める
1980年(昭和55)

  • モスクワ五輪、アフガン問題で西側諸国ボイコット
  • ジョン・レノン射殺
  • CD(コンパクトディスク)開発
  • アメリカでヒト・インシュリンの合成に成功
  • 第1回日本グラフィック展(パルコ)
●1980年(昭和55)・28歳

  • 東京藝術大学大学院(視覚デザイン専攻)
    常勤講師として着任、福田繁雄クラス・大学院・2年生
  • 出版:「バードカービング」共著
    日本鳥類保護連盟編
    (朝日ソノラマ)
1981年(昭和56)

  • ポーランドに戒厳令
  • ワレサ連帯委員長軟禁
  • アメリカでスペースシャトルコロンビアが初飛行
  • イランの米大使館占拠で人質444日ぶり解放
  • 朱鷺全羽捕獲
  • コンピューター時代の到来を告げる
  • パリ人肉事件
  • チャールズ・ダイアナ結婚
●1981年(昭和56)・29歳

  • 東京芸術大学大学院視覚デザイン専攻を修了する(3月)
  • 東京芸術大学大学院研究生・助教授福田繁雄クラス
  • 第2回軍縮ポスター国際デザインコンテスト 国内優秀賞(国連主催)
  • 第13回日本イラスト展・コマーシャルイラスト部門賞
    ホルベイン賞・いずみや賞
    (渋谷・東急プラザ)
  • 出版:「TOKI」イラスト集
  • 「第6回アンコーナ国際スポーツユーモア画展」(イタリア・アンコーナ)
  • 埼玉県大里郡寄居町鉢形に転居
木曽君・塑像首(受験時代)
授業が終わってから粘土で木曽君とお互いにそれぞれの首を作り合った。ロダンや高村光太郎の粘土づけを参考にし、木曽君の精悍な顔を表現しようと思い続けた。
安井曾太郎人体デッサン模写 (受験時代)

安井曾太郎人体デッサン模写
(受験時代)
手・油土(受験時代)

手・油土(受験時代)
静物デッサン (1975)

静物デッサン (1975)
木曽君・塑像首(受験時代)

木曽君・塑像首(受験時代)
セントジョセフ・木炭デッサン (1975)

セントジョセフ・木炭デッサン (1975)

いつも名作を見ながら光と影、質感、それにリアリスムとは何かを研究した。「そこにただあるだけで美しいという気持ちが沸き起こるのは何故だろうか」という疑問があった。ひたすら表現技術について安井曾太郎のデッサンやワイエス、シャルダンから受ける静けさや哲学性について想いを馳せた。

秋山孝 (1976)

秋山孝 (1976)
油画 (1976)

油画 (1976)
風景 (1977)

風景 (1977)
イラストレーション (1977)

イラストレーション (1977)
卒業制作会場 (1979)

卒業制作会場 (1979)
卒業制作?軽業師シリーズ自業自得 (1979)

卒業制作・軽業師シリーズ自業自得 (1979)

グラフィックデザインとイラストレーションの関係は、絵画表現を使い言葉にしづらいメッセージと美を視覚伝達すること。だからその表現技術をものにしなければならないと考えた。卒業制作の軽業師シリーズはロープと軽業師の不安定なバランスを風刺的表現で孤独な空間を描こうとした。わずかなエレメントと色彩だからこそ考え切ることができたような気がする。しかもあくまでも学生の域を出ない思い込みの強さがあるので気恥ずかしいものがあった。グラフィックデザインとイラストレーションのもっている乗り越えられない軽快感のある表現に憧れがあったのだが、どうすることもできなかった。その後、それを克服するために大学院があったのかもしれない。

松澤はる江と結婚
(長岡・蓬平温泉・蓬莱館)

松澤はる江と結婚
(長岡・蓬平温泉・蓬莱館)
大学院アトリエ (1979)

大学院アトリエ (1979)
大学院時代 (1979)

大学院時代 (1979)
修了制作作品集・TOKI (1981)

修了制作作品集・TOKI (1981)

やっと表現のフットワークさを見つけ、ビビットな色彩を自由に扱えるようになった。しかもマチエールからの脱出もはかりフラットな色面の美しさを使えるようになった。まるできれいな色紙を貼るような色彩の独立性を獲得した。さらに色のトーンから出来上がる輪郭線から、ラクガキのような一本の線にみる原始絵画表現の普遍的な力強さも、ものにできた。それによってこれから表現者としてのスタートが切れた。そして、社会に対して自分が伝えなければならない根本的なメッセージは、何なのかを思索した。しかし、疑問は募るばかりだった。

「バードカービング」(朝日ソノラマ)

「バードカービング」(朝日ソノラマ)
修了制作展・旧東京都美術館 (1981)

修了制作展・旧東京都美術館 (1981)