【はじめに】秋山孝 / 荒井立



はじめに 秋山孝

このインタビューをしようということになった経緯は、もともとIT企業のミクル株式会社の社長である福井直樹さんとアイデア(発想)のひらめきをテーマとした対談を行ったことがきっかけでした。その縁でホームページ「秋山孝イラストレーションライブラリー」をミクル社員の荒井立さんに立ち上げてもらい、現在もインターネットでの活動をサポートしてもらっています。

そんななかから「秋山孝の創作の旅」と題するインタビューをしようということになりました。ぼくたちの興味は飽くことのない探求心ゆえ徐々に深まりをみせ、とうとう秋山孝の創作の原点まで掘り出そうという試みへと成長しました。

ぼくはいったい何者なのか自分でも明快に分析したわけでもなく、市井のデザイナー、イラストレーターであり、大学教授をしている自由人です。それで荒井さんに、このようなインタビューをお願いすることになりました。よく講演などで頼まれると「創作の一人旅」「自分が選んだ道だから」などと題したロマンチックなテーマで話をしています。しかし、案外自分自身をつきなはして見ているわけではなく「心の旅」を断片的に作品とともに紹介するようなものでした。

インタビューの魅力は、自分一人で自分史を書くようなものではなくインタビュアーの切り口があります。それは新たな側面が浮かび上がり、ふだん気がつかなかった自分を冷たい鏡に映すような客観性を持ちます。まるでぼくが描いた自画像の輪郭線を手直しされるようなものです。それを素直に受け取る勇気が必要でしたが、もうひとつのぼくを再発見できるすばらしい試みに違いないと思っています。


はじめに 荒井立

私と秋山孝さんの出会いは、秋山さんのホームページを作る仕事がきっかけでした。ホームページを作るにあたり秋山さんのアトリエに通い一回3時間ほどの打ち合わせをしていたのですが、最初の1時間はアイドリングタイムとして、たわいもないおしゃべりをよくしていました。

たわいもないとは言っても、多摩美術大学で教授をされている秋山さんの話は、多くの本を読んで得た膨大な知識と様々な経験をもとにした体験談など、とても魅力的なものばかりでした。私も美術大学出身ということもあり美術談義に花が咲き、時には個人授業を受けるような贅沢な時間を過ごさせてもらいました。

その話を友人にしたところ「是非、録音して聞かせてほしい」と言われ、こういう貴重な話を自分一人だけが聞いていてよいのか?と疑問を持つようになりました。そのようなことを考えていた時にタイミングよく、秋山さんから「せっかくなら、ぼくの話を原稿にまとめてくれませんか」という提案を頂き、インタビュー形式で秋山さんに関する原稿を作成することとなりました。

インタビューの内容は主に自分自身の純粋な興味から発したものではありますが、絵を描いたり、もの作りをしている人の参考になる話として、まとまったものになっているのではないかと思っています。

ぜひ、このインタビューで得た知識や感情を創作の旅のお供にしていただければ幸いです。




[ 第1章:イラストレーション ]



秋山孝公式サイト

秋山孝ポスター美術館長岡

日本ブックデザイン賞

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第8章:創作の旅

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第5章:ポスター

第4章:教育

第3章:表現

第2章:技法

第1章:イラストレーション

【はじめに】秋山孝 / 荒井立

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