中国の小説『西遊記』に登場する猿の名で、別名猿行者（そんぎょうじゃ）。香港や台湾など東南アジアでは、一般的に斉天大聖（せいてんたいせい）と呼ばれ、道教の神としても信仰が篤い。
　　
東勝神州（とうしょうしんしゅう）（西遊記における四大陸のひとつ）の傲来国（ごうらいこく）の沖合に浮かぶ、花果山（かかざん）の頂きにあった仙石から生まれ、美猴王（びこうおう）の名で猿族の王として君臨するが、神仙を求めて旅に出る。
　
やがて仙術を会得し、?斗雲(きんとうん)に乗って瞬時に十万八千里を飛ぶ力と72の変化の術、伸縮自在の如意金箍棒（にょいきんこぼう）を手に入れ、天上界で傍若無人に振舞うようになるが釈迦如来の法力により、五行山に封印される。
　
その後三蔵法師に助け出され、供をしながら様々な困難を克服して天竺から経典をもたらすという物語。