日本におけるバードカービングは、1979年に松田道雄、且原純夫、秋山孝によって始められ、日本鳥類保護連盟のもとに生まれたクラフトである。
野鳥を木で削り彫刻することによって自然保護や芸術を理解することを目的にしている。
そのもとに生まれ開発を繰り返し現在のバードカービングとなった。初期時代の組織のバードカービングクラブは、ぼくが創設した。
その後、日本バードカービング協会へと引き継がれた。
また、創作の広がりと自由を求めてクリエイティブバードカービングを唱えて作り上げたのが、長岡秋山孝コレクションの中に収蔵されているバードカービングだ。
ここに掲載されている「スズメ雛(オス)(メス)」のクリエイティブバードカービングの2体は、ぼくの娘の「花」と「文」の二人のために作ったものだ。
我が家では、雛祭りのとき、ありきたりのお雛さまを飾っていた。
ぼくは、その雛が気に入らなかった。
そこで創作をして、でき上がったのがスズメのお雛さまだ。
ぼくにとっては、スズメは、特別 のものだった。あるとき巣から落ちた雛のスズメを飼い、手乗りスズメにしていっしょに生活した。
名前は「すず子」とても賢くて愛らしかった。その思い出もあり見なくともぼくは、リアルに再現できる。
完璧な造形的記憶をしている。さらにスズメの習性まで理解している。
ぼくは、スズメを観察するだけで雨の降ることを100%予測することができるし、手乗りスズメにするくらいはお手の物である。ローレンツ博士のインプリンティングの法則に従えばよいだけだ。
この「スズメ雛」ぼくのクリエイティブバードカービングのなかでも最高傑作の一つだ。