人間にとって古い醸造業は、「越後の美」の一つにあげられる。
ぼくの町の摂田屋にはみごとな醤油桶ある。
ここに描いた「越のむらさき」の桶は1928年(昭和3)に製造され、材質は杉材で重さ1トン、9,000リットルの生揚げが入る。
工場で熟成したもろ味を搾った生揚げを入れたものだ。
1,8リットル瓶で約5,000本の醤油になる。
旧三国街道沿いにあった上組小学校を登下校するときに醤油の香りと酒蔵を歩くのが日常だった。
東山と田んぼそれに雪、それぞれが与えてくれる自然の恵みが、ぼくに美しさの源を作ってくれたと思う。